Q&A

フッ素樹脂 Q&A

フッ素樹脂に関する様々な疑問にお答えします。この他にご不明な点があればこちらまでお問合せ下さい。


特徴

  • Q1.フッ素樹脂とは?
  • Q2.フッ素樹脂の種類について教えて?
  • Q3.最適なFluon®フッ素樹脂の選び方は?
  • Q4.Fluon®フッ素樹脂の硬さは?
  • Q5.Fluon®フッ素樹脂の比重は?

フッ素樹脂は以下の機能を全て兼ね備えている驚異的な高機能プラスチックです。 耐熱性・耐寒性・耐薬品性・難燃性・絶縁性・低摩擦性・非粘着性・耐候性など。詳しくはフッ素樹脂の性質 の項をご覧下さい。

フッ素樹脂の種類 の項をご覧下さい。

要求特性と製品形状を踏まえた成形方法の選択によりご選択いただくのが適切です。以下の表をご参考ください。

  耐熱性/耐薬品性 低摩擦性/比粘着性 耐寒性・絶縁性/耐候性・難燃性 溶融成形(射出・押出) 異素材との接着性
PTFE ×
PFA
ETFE
LM-ETFE

注:4種を比較しての相対的表現です。

一般的には、ゴムより硬く、プラスチックの中では柔らかい部類に属します。以下はFluon®と他のフッ素樹脂・他の一般樹脂との硬度の比較表です。

  Fluon®PTFE Fluon®PFA Fluon®ETFE PVdF PP ナイロン6
ロックウェル硬度(R-スケール) 20 50 50 110 85-110 110

フッ素樹脂の比重は1.7~2.2と、概してプラスチックの中では高い値を示します。以下はFluon®と他のフッ素樹脂・他のプラスチックの比重を比較した表です。

  Fluon®PTFE Fluon®PFA Fluon®ETFE PVdF PP ナイロン6 PVC
比重 2.1-2.2 2.1-2.2 1.73 1.76 0.9 1.1 1.35


用途

  • Q1.半導体業界向けの用途は?
  • Q2.自動車業界向けの用途は?
  • Q3.電池業界向けの用途は?
  • Q4.食品業界向けの用途は?
  • Q5.Fluon®PTFEの用途は?
  • Q6.Fluon®PFAの用途は?
  • Q7.Fluon®ETFEの用途は?
  • Q8.Fluon®LM-ETFEの用途は?

半導体の製造プロセスでは、様々な種類の薬液を使用します。中には強酸・強アルカリのものもあり、これらに接触する部品の材料として、耐薬品性を持つフッ素樹脂が多く使用されています。また使用中の薬液の純度の低下は、半導体の品質に影響を与え、歩留まりの低下を招くため、使用材料には純度の低下を起こすような物は使用されません。フッ素樹脂はそのような要求にも応えて使用されています。主にFluon®PTFEFluon®PFAが、薬液容器・配管・配管継ぎ手・タンクライニング・角槽・ウエハーキャリア・バルブ・ポンプ・ベローズ・ダイヤフラム・フィルターハウジングなどとして、半導体製造プロセスで使用されています。

自動車の中にも、数多くの部品の部材としてフッ素樹脂が用いられています。摺動性を求められて、ブレーキパッド・自動変速機やパワステのシールリング等、電気系統周辺には耐熱性や電気特性を求められて各種センサー用ケーブルの被覆・コントロールハーネス、燃料系統では耐薬品・溶剤性を求められて、それぞれフッ素樹脂が使用されています。最近では燃料の蒸散を抑えるための環境対応として、樹脂製燃料配管にFluon®LM-ETFE AH Seriesが採用され、地球環境保全に一役買っています。また次世代自動車燃料の本命と言われている燃料電池の部品に関しても、フッ素樹脂での検討が進められております。

リチウムイオン電池やニッケルカドミウム電池といった、小型機器用二次電池には、電池の活物質を結着させるバインダーとしてFluon®PTFEディスパージョン等が使用されています。充電・放電を繰り返す二次電池内の過酷な化学的環境下でも耐えうる耐薬品性・耐熱性、難燃性が求められて、フッ素樹脂が使用されています。また、リチウムイオン電池のパッキンとして、小型複雑形状の成形性・耐薬品・耐熱性を生かしてFluon®PFAが用いられています。これらは携帯電話・ノートパソコン・ポータブルMDプレーヤーなど、皆様の身の回りの機器に組み込まれて使用されています。また、現在開発が急ピッチで進んでおり、自動車をはじめ様々な用途で次世代の電源として期待される燃料電池の世界でも、バインダーをはじめ色々な部分でフッ素樹脂が部材として検討・或いはすでに採用されております。

Fluon® PTFE, PFAは 間接食品添加物(Indirect food additive)として米国21CFR§177.1550記載されている要件に適合しています。 また、Fluon® ETFEは米国FDAのFCS(食品接触物質)のリストに登録され、FCN番号を取得しています。 日本国内では食品衛生法厚生省告示第370号の規格にも適合しています。
* ぞれぞれ一部のグレードを除きます。詳細並びに使用条件についてはお問い合わせください。

最も一般的なフッ素樹脂であるPTFEは、工業化以来60年以上の長い歴史を持っていますが、フッ素樹脂の特長を最も強く持っている樹脂である為、現在でも新しい用途が年々開発されています。Fluon®PTFEは幅広い分野で使用されており、化学工業・自動車関係・機械部品・電線被覆といった分野から、半導体・電気電子部品・衣料用途にも用いられています。また、粉体であるため、摺動・難燃・潤滑目的で、他のプラスチックやゴム、塗料、グリースなどへの添加剤として使用されています。また水性の分散液としてディスパージョングレード・耐クリープ性や耐磨耗性の向上を図って充填材を加えたFC(フィルドコンパウンド)グレードもご用意しており、様々な用途にご利用頂けます。

Fluon®PTFEと同レベルにフッ素樹脂の特長を持ちながら、溶融成形が可能なFluon®PFAは、半導体分野で使用されることが最も多く、半導体製造装置の配管・継ぎ手・ウエハーキャリア・角槽などに使用されています。半導体以外では、より強い耐薬品性を求められる化学工業分野・耐熱性と非粘着性の両立が要求されるOA機器部品・細かく複雑な形状を求められ、溶融成形が必須となるリチウムイオン電池パッキンなどに使用されております。

エチレンと4フッ化エチレンの共重合によって得られるFluon®ETFEは、機械的強度が大きく、また耐放射線性も良いことから、ロボット電線や原子力周りの電線、パソコン等の精密機器内の電線等、電線被覆用途に多く使用されております。 また、フィルムへの加工によってアフレックス®エフクリーン®として、非粘着性を生かした離型用フィルムや壁紙・クロス用途、耐候性を生かした農業用ビニルハウス用途への需要も大変多くなっております。 また、Fluon®ETFEパウダーグレードは、プライマー(接着材)無しで金属へのコーティングが可能である為、静電粉体塗装や回転成形により配管や金属部品へのコーティングやライニングが容易に行えるというメリットがあり、化学工業用途や自動車部品に用いられております。

旭硝子が独自に開発したETFEの進化型がLM-ETFEです。その最大の特徴は、耐熱性能を向上しながら融点を下げることに成功したこと。これを利用して、自動車部品、電線被覆、チューブ・ホース、容器など幅広く使用されています。またAH Seriesは、自動車用燃料ホースに採用され、最も厳しい北米の環境規制にも対応できるホースとして使用されています。


成形

  • Q1.Fluon®の成形方法は?
  • Q2.フィラー入りフッ素樹脂のグレードはある?
  • Q3.フッ素樹脂コーティングはできる?

圧縮成形
Fluon®PTFEの成形に用いられる最も一般的な方法です。Fluon®PTFEは融点以上の温度になっても非常に高い溶融粘度を有する為、この方法が用いられます。型に樹脂入れて圧縮し、焼成を掛けて粒子同士を融合させ、その後冷却して成形物を得ます。細かい成形品・複雑形状の成形品はここから機械により切削して最終成形物を得ます。
適応グレード:PTFE(モールディングパウダー)PTFE(フィルドコンパウンド)


ペースト押出成形
これもFluon®PTFEの成形方法です。ファインパウダーの成形時に使われます。助剤(ナフサが用いられます)と混合して押し固め、ダイスから押出す事によってチューブ、パイプ、或いはテープ状の成形物を得、助剤を飛ばして焼成を掛けて完成させます。
適応グレード:PTFE(ファインパウダー)


溶融成形
融点以上になると溶融するFluon®PFA・Fluon®ETFE等のフッ素樹脂は、他の熱可塑性プラスチックと同様の成形方法を用いる事が出来ます。溶融成形には押出成形・射出成形・ブロー成形・トランスファー成形・回転成形等がありますが、いずれも溶融フッ素樹脂に用いる事が可能です。ただ他のプラスチックの成型時との違いは、融点が高いため成形温度も高くなる点・溶融粘度が比較的大きい為成形速度が遅い点等があげられます。
適応グレード:PFAETFELM-ETFE


共押出成形
これまでフッ素樹脂をもちいた共押出成形は、そのくっつかない性質により不可能とされてきました。しかし旭硝子が開発したFluon®LM-ETFE AH Seriesは、これを可能にしました。異種の樹脂とAH Seriesをひとつの共押出ダイに流し込み成形することで、良好に接着された積層成形体が得られます。
適応グレード:LM-ETFE AH Series


粉体成形
パウダー形状の樹脂を用いることにより、金属へ密着させたコーティング・ライニング成形体を得ることが可能です。金属の防食に最適です。
適応グレード:ETFEパウダーグレード

あります。Fluon®PTFEにはFC(フィルドコンパウンド)グレードを多数取り揃えており、PTFEの特性に各種フィラーを利用することで多彩な性能を付与し、使い分けていただくことが可能です。また、Fluon®ETFEにはカーボンブラックやカーボンファイバー、色素顔料などを配合したグレードを取り揃えており、導電性、強度、着色などの付加価値を付与した形でご使用いただけます。

できます。Fluon®ETFEでは、多数の粉体グレードを取り揃えており、回転成形・静電粉体塗装・などにより、金属に対し数十~数百µmのコーティングが可能です。またPTFEではエナメルコートが可能で、フライパンに代表される幅広い用途に使用されています。


耐久性

  • Q1.Fluon®の耐熱性は?
  • Q2.Fluon®の耐薬品性は?
  • Q3.Fluon®の耐紫外線性は?
  • Q4.Fluon®の耐放射線性は?

フッ素樹脂の融点は非常に高く、ほとんどが200℃以上です。また連続使用可能温度も150~260℃で、プラスチックの中で最高クラスの耐熱性を持っております。


Fluon®各樹脂の融点と連続使用可能温度

  融点 連続使用可能温度
Fluon®PTFE 327℃ 260℃
Fluon®PFA 310℃ 260℃
Fluon®ETFE 270℃ 150℃
Fluon®LM-ETFE 225℃ 180℃

高温・高濃度の強酸・強アルカリに不活性で、溶剤にも不溶です。

屋外環境下での性能劣化が極めて低く、長期間のご使用が可能です。屋外での暴露では、太陽光線による光分解作用・酸化作用・気温の変化による膨張収縮作用等の環境にさらされます。フッ素樹脂は、これらの厳しい環境下において、変化・劣化を起こしにくい特性を持っています。

PTFE、PFA、FEPといった、ほとんどが炭素原子とフッ素原子の結合で成り立っている樹脂は、一般的に放射線の照射を受けると崩壊してしまい、そういった環境下での使用は出来ません。しかし、Fluon®ETFEは4フッ化エチレンとエチレンとの共重合体です。エチレンは放射線により架橋反応を起こす為、放射線の照射によっても崩壊しません。
Fluon®ETFEは、この性質を生かして、原子力発電所の原子炉周辺部における、耐熱・耐蒸気特性に加えて、耐放射線性の必要な絶縁電線に多く用いられている実績があります。


特性

  • Q1.誘電率・誘電正接・絶縁性は?
  • Q2.接着性は?

高い難燃性・電気特性が信頼され、各業界の厳しい規格にも認定されています。 フッ素樹脂の誘電率はプラスチック中で最も小さく、周波数による変化もほとんどありません。また体積抵抗率も、測定限界を超えるレベルの高さです。


Fluon®各樹脂の電気的特性

  Fluon®PTFE Fluon®PFA Fluon®ETFE
体積抵抗率(Ω・cm) >1018 >1018 >1016
耐アーク性(秒) >300 >300 120
誘電率 2.1 2.1 2.6

フッ素樹脂は本来非粘着性でくっつきにくい性質を持っておりますが、Fluon®ETFE/LM-ETFEでは、これを改良し金属や樹脂への接着が可能となるグレードがございます。ご用途に応じお問合せください。


安全性

  • Q1.Fluon®の安全性は?
  • Q2.食品への安全性は?
  • Q3.フッ素樹脂の廃棄方法は?

体内に摂取した場合
フライパンへのコーティングで有名なフッ素樹脂ですが、以下のような実験で安全性が確認されています。ラットに与える食物の中に、25%分のPTFEの微粉末を混ぜ、投与する実験が90日間行われましたが、中毒症状や病理学的・解剖学的異変は認められませんでした。化学的に不活性であるフッ素樹脂は、口に入れても体内で分解したり、反応して有毒物質を生成したりする事はなく、そのまま排泄される事になります。


燃焼・熱分解した場合
フッ素樹脂は、性質のページでご説明申し上げた通り、非常に難燃性の高いプラスチックです。しかし融点を上回る高温にさらした場合、熱分解を開始し、分解生成物を発生する事が分かっています。PTFE(融点:327℃)の場合、400℃前後から分解が促進され、各種の分解生成物が検出される事が分かっています。まずテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等が検出され始め、480℃前後からパーフルオロイソブチレン、500℃前後ではフッ化カルボニルのガスが検出されます。これらの分解ガスは多かれ少なかれ毒性があり、特にパーフルオロイソブチレン、フッ化カルボニルはきわめて高い毒性を持っています。フッ素樹脂は難燃性ですが、フッ素樹脂がある場所で大きな火災が起きた際には、極めて有毒なガスが発生する点には留意してください。


加工上の注意点
通常のフッ素樹脂の加工条件下では、上記のような高い毒性を持つ分解ガスが発生する危険はありませんが、粒子状物質が発生する事が知られております。これは人体に「ポリマー煙熱」と呼ばれる症状を起こす原因と考えられております。
フッ素樹脂の熱分解生成物を長時間、或いは短時間でも高濃度の生成物を吸引した場合、インフルエンザの症状に似た症候群を発症する場合があります。これを「ポリマー煙熱」と呼んでいます。この症状は数時間の潜伏期をおいて現れますが、次第に症状は弱まり、24~48時間以内に必ずおさまり、後遺症は残りません。このような症状を予防するには、加工環境で適切な換気を行う事が最も有効です。
取扱量が少量である場合、或いは加工機器の設置環境によっては自然換気で十分な場合も多いですが、安全を期される場合、加工機器周辺への局所排気設備の設置をお勧めします。

Fluon® PTFE, PFAは 間接食品添加物(Indirect food additive)として米国21CFR§177.1550記載されている要件に適合しています。 また、Fluon® ETFEは米国FDAのFCS(食品接触物質)のリストに登録され、FCN番号を取得しています。 日本国内では食品衛生法厚生省告示第370号の規格にも適合しています。
* ぞれぞれ一部のグレードを除きます。詳細並びに使用条件についてはお問い合わせください。

フッ素樹脂は高温化では有毒ガスを発生させることが分かっております。フッ素樹脂は化学的に不活性である為、埋設処分しても分解して有毒物質を排出する事はありません。その為フッ素樹脂製品廃棄物は、焼却せず、各自治体の廃棄物処理ルールに乗っ取り埋設廃棄物として廃棄を行ってください。但し、充填物の入ったもの・毒物・劇物等と触れる環境下で使用されたもの等は、処分法が異なる場合がありますのでご確認の上、廃棄してください。




フッ素樹脂とは?

旭硝子がFluon®ブランドでご提供させて頂いているフッ素樹脂について、皆様により知っていただく為の情報をご覧頂きます。フッ素樹脂が、極めてユニークな性質を持つ高機能プラスチックであることがお分かり頂けるはずです。

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